パソコンの耐久性試験でよく使われる「MIL(ミル)規格」とは?試験をクリアしたパソコン3選

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みなさんこんにちは。ふくしまクラウドの編集長(@fkc_door)です。

パソコンやスマートフォンの性能を見ていると、「MIL(ミル)規格に準拠しています!」というメッセージを見たことがありませんか?

なんとなく説明を読むと「頑丈な製品なんだな・・・」ということは分かりますが、具体的にどういう規格なのか分かりにくかったため、「MIL規格」について今回記事にまとめてみました!

「MIL(ミル)規格」、「ミルスペック」とは?

MIL規格とは「アメリカ国防総省が定めた厳しい調達基準」のことです。「ミルスペック」とも呼ばれています。

軍隊で使用するということで、過酷な条件下でも問題なく利用できるように定められています。

つまり、「MIL規格」を満たしている製品は「高耐久」である、と考えられます。

最近はテレワークやワーケーションなどでパソコンを外に持ち運ぶ方が増えているため、耐久性が高いのは安心材料の一つですよね。

パソコンでよく使われるのは「MIL-STD-810G」か「MIL-STD-810H」

パソコンの耐久性試験でよく使われるのはMIL規格の一つ「MIL-STD-810G」または「MIL-STD-810H」です。最後の「G」と「H」がリビジョンになっていて、アルファベット順に改定されているので「H」が最新です(「G」は2008年、「H」は2019年)

メーカーによりけりですが、「MIL-STD-810G」に準拠したテストを行っているところが多いです。

「MIL-STD-810」の試験基準は「落下テスト」「衝撃テスト」「高温・低温テスト」「振動テスト」など耐環境性です。

様々な耐環境性のテストが用意されていますが、すべての項目をクリアする必要はありません。

そのため、各メーカーによってテストを行っている項目としていない項目があります。

MIL規格(MIL-STD-810)のテストに合格したパソコン一覧

それでは、MIL規格(MIL-STD-810)のテストに合格したパソコンをメーカー毎に紹介していきます。

あまり長くなってしまってもあれなので、3つのメーカーに絞ります。

dynabook | 最新のモバイルノートはここまで進化した!「VZ/HU」

dynabook VZ/HU 2021秋冬Webモデル

13.3インチで持ち運びしやすく、約979gと軽量。タッチパネル対応でノングレア(非光沢)液晶とビジネス用途でも問題なく使えます。ディスプレイが360度回転するため、「ノートPCスタイル」「タブレットスタイル」「ペンスタイル」「モニタースタイル」「フラットスタイル」と状況に合わせて5つのスタイルを使い分けることができます。

■ dynabook VシリーズのMIL規格(MIL-STD-810-G)試験内容

「落下」・・・各面、辺、角の26方向から76cm落下

「粉塵」・・・6時間にわたって細かい粉塵を吹き付け

「高度」・・・高度4,572m相当の気圧まで減圧

「高温」・・・30~60℃の環境下で24時間×7サイクル

「低温」・・・-20℃の環境下でテスト

「温度変化」・・・-20~60℃の温度変化を6時間

「振動」・・・前後・左右・上下の各軸1時間の振動テスト

「衝撃」・・・6方向×3回、計18回の衝撃を与える

「太陽光反射」・・・24時間×3サイクル照射テスト(太陽光を模した光)

引用元:Vシリーズ | dynabook(ダイナブック公式)アメリカ国防総省制定MIL規格(MIL-STD-810G)に準拠したテスト | dynabook(ダイナブック公式)

HP(ヒューレット・パッカード) | ビジネス用でかつデザインが美しい!「HP Elite dragonfly G2」

HP Elite dragonfly G2

13.3インチでタッチパネル対応、約989gと軽量で持ち運びしやすい法人向けモデルです。

dynabook Vシリーズと似ていて、こちらも液晶が360度回転するため様々な用途で活用できます。

法人向けモデルの中では一番と言っていいほどデザイン性がよく、「ドラゴンフライブルー」が美しいです。筆者もこのデザインと色を気に入り、実際に購入して愛用しています。

■ HPビジネスPCシリーズのMIL規格(MIL-STD-810-H)試験内容(一例)

「落下」・・・高さ122cmから、5cmの合板の上に合計26方向の落下(非稼働)

「粉塵/砂塵」・・・6時間の粉塵環境の動作、90分砂塵環境(OS稼働)

「高度」・・・標高4570mでの動作(OS稼働)

「湿度」・・・湿度50~95%、気温23~60度、合計264時間(非稼働)

「高温」・・・動作時60℃、非動作時71℃

「低温」・・・動作時-29℃、非動作時-51℃

「温度変化」・・・-51℃~60℃(非稼働)

「振動」・・・PC本体 5~500Hzの振動、3軸×2時間(OS稼働)

「衝撃」・・・6方向から3回、計18回の衝撃(OS稼働)

引用元:HP Product Quality | 日本HP

パソコン工房 | 14インチで1kgを切る驚きの性能!「iiyama STYLE-14FH057-i3-UCEX

パソコン工房 STYLE-14FH057-i3-UCEX

14インチで重さ1kgを切り、厚さが19mmと薄型軽量のノートパソコンです。タッチパネルなど360度回転はないですが、180度液晶開閉可能なので対面で資料を見せる時に便利です。

14インチという大きさは最近のスタンダードになってきていて、小さすぎず大きすぎず絶妙です。

1kg切っているので持ち運びも容易で、自宅で使ってもほどよい大きさで使いやすいです。

タッチ対応や圧倒的な軽さはない、一見地味なモデルですが多くの人のニーズに応えられる製品です。

■ パソコン工房のMIL規格(MIL-STD-810G)試験内容

「塩水噴霧」・・・塩水噴霧環境と常温を想定した環境での乾燥を繰り返すテストで、船上や海辺を想定しています。

「粉塵」・・・粉塵を散布するテストで、浜辺や工作機器などが設置された屋内などを想定しています。

「高地(低圧)」・・・高度約4500m相当まで減圧、 一定時間維持の後に高度約2500m相当にまで加圧し高い場所を想定しています。

「衝撃」・・・梱包状態で一定の高さから多方向へ落下させ、輸送中の落下を想定しています。3軸各方向に合計16回衝撃を加え、日常のぶつけるような衝撃を想定しています。

「温度差」・・・繰り返し低温環境と高温環境間を移動させることで、屋内から屋外などの温度差を想定しています。

「湿度」・・・高温多湿の環境に何日も置くテストで、梅雨時期などの屋内などを想定しています。

「振動」・・・ランダムな振動を与えるテストで、持ち歩いた時やちょっとした衝撃などを想定しています。

「低温」・・・冷凍環境に置くテストで、北国や冬の車内や屋内などを想定しています。

「高温」・・・高い温度に晒すテストで、南国や夏の車内や屋内などを想定しています。

「輸送振動」・・・一定の振動を与え続けるテストで、車や飛行機、船内などの細かく揺れ続ける環境を想定しています。

引用元:パソコン工房(pc-koubou.jp)

MIL規格に合格したからといって、無破損を保証するわけではない

MIL規格はあくまで信頼性データの収集のためであり、「落下」「衝撃」「振動」など使用環境の変化に対する製品の耐久性を保証しているわけではないので注意が必要です。

メーカーにもよりますが、万が一破損した場合は保証期間内でも有償修理になる場合が多いようです。

パソコン工房では「落下」や「水濡れ」に対応した「物損保証」がオプションで付けられるので、保証が気になる方は検討してみてはいかがでしょうか。

今回のまとめ

以上が「MIL規格」についての簡単なまとめです。いかがだったでしょうか。

MIL規格に合格している!と言っても、メーカーによってテスト項目が違う場合があると分かりましたね。

パソコンに求められているのは「衝撃」や「落下」の耐久性だと思うので、その点はどのメーカーも厳しくテストしているので問題ないと思います。

今回調査して思ったのが、dynabookは太陽光の反射テストも行っていて、真夏の車内に放置してても大丈夫そう・・・という感が伝わってきます(他メーカーは太陽光反射テストまで行っているところは少ないと思います)

それでは、また次の記事でお会いしましょうー!

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